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アナリストの視点(国内株式)

巨大地震はIPOにも影響大、上場中止が増加する可能性も

2011-03-18

 15日、大阪証券取引所が25日に新規上場予定だったラクオリア創薬の上場中止を発表した。東日本巨大地震の発生を受け、東京市場は連日で記録的な下落率を記録。IPO(新規上場)マーケットは株式市場の投資マインドの影響を大きく受けるだけに、ラクオリア創薬の後を追うように延期、中止が相次ぐ可能性がある。また、未上場企業の上場意欲にも大きな影響を与えそうだ。

 日経平均株価が1000円を超える下落となった15日、島根銀行<7150・(2)、銀行>とアイディホーム<3274・JQ、不動産>の2社が新規上場。混乱の中での初日で初値には明暗が分かれた。島根銀行は島根を地盤とする地方銀行。成長性やビジネスモデルのユニークさを評価するIPOマーケットにマッチしない企業に見えるが、市場からの吸収金額が5億円程度に抑えられ需給妙味が大。また、今3月期は年間50円配当(中間期25円)を計画しており、公開価格で試算した配当利回りは8.9%。これらを材料に、初値は公開価格を22%上回った。

 一方、パワービルダーのアイディホームには買い注文が入らず、初値は公開価格を36%も下回った。ただ、両銘柄とも初値形成後は買い優勢となりストップ高。アイディホームの初値ベースのPERは2.5倍。初値形成までは全般相場の状況もあって様子を見ていた投資家が、初値形成後に割安感に着目して参戦した結果とみられる。島根銀行の初値も配当利回りなどからみれば低過ぎる水準だった。

 初値形成後の動きは別としても、実態面がそれなりに評価されていたアイディホームの初値形成までの動きは、これから上場を予定している企業にとっては衝撃的。ラクオリア創薬が上場中止に踏み切ったように、株式市場の動向とIPO銘柄の動きを考慮し、資金調達が計画通り進まないとみて中止という決断を下す企業はほかにも出てくる可能性がある。米同時多発テロがあった2001年もその後、年末まで20銘柄が上場を中止していた。現在はIPO銘柄数自体が少ないため中止銘柄が続出するような事態には至らないとみるが、発行体、主幹事証券とも株式市場の動向を見ながら検討していることと憶測される。

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 また、未上場企業の上場意欲は今回の株式市場の暴落を受けて大幅に後退しているものとみられる。11年の新規上場銘柄数は、大幅増とまではいかないまでも10年の22社よりは増加するとみられていたが、今後の上場承認が一気に減る可能性もありそうだ。

(小泉 健太)


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