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アナリストの視点(国内株式)

年明けに向けた助走期間―出遅れ日本株の出番

2010-12-06

 株式市場では早くも来年に向けた助走期間に入ってきた。日米の金融緩和が一段落した結果、長期金利が上昇に転じてきた。度重なる金融緩和が結果的に否定されてきた上、世界の景気をけん引してきた、中国などの新興国では金融引き締め懸念が台頭している。

 さらにエコカー補助金が9月末で終了。家電のエコポイントも12月1日からはほぼ半減し、景気は踊り場に差し掛かってきた。ただ、ここからは出遅れ日本株の出番だ。

 原動力は対ドルで円安方向にあること。11月1日には一時、1ドル=80円23銭と80円割れ寸前まで、円高が進展。主力輸出企業は今期の業績予想を削ってまで、下期の前提為替レートを円高方向に設定。大半の企業は1ドル=80円程度としているため、足元のWドル=84円程度の推移では逆に利益の出る水準に入ってきた。

 前提為替レートの変更に見るように、企業の下期見通しは慎重。ただ、為替水準が再び円高に向かわない限り、年明けは企業業績の上ブレ期待が高まってくる。第3四半期累計(4〜12月)決算発表は1月下旬から本格化。実際、好業績が確認できれば、株式相場は改めて株価水準の見直しに動くだろう。

 11月最後の日、30日は日経平均株価が8日ぶりに1万円割れ。それでも11月は2カ月ぶりの月足陽線となった。12月も陽線となれば、昨年8月以来の連続陽線となる。

 その12月。月足の陽線を勝ち、陰線を負けとすると、直近20年間(1990〜2009年)での勝敗は13勝7敗。10年間でも7勝3敗、5年間でも4勝1敗と、いずれも12月は勝率が最も高い月だ。

 12月に入ると、年足も意識されてくる。大納会の30日の終値が1万654円79銭(今年の大発会1月4日の終値)を超えてくると2年ぶりの年足陽線。来年、卯(うさぎ)年の株式相場に一段と弾みが付くことになる。

 そして、卯年。相場格言では「子(ねずみ)は繁盛、丑(うし)はつまずく、寅(とら)は千里を走り、卯は跳ねる、辰(たつ)と巳(へび)は天井、牛(うま)は尻下がり、未(ひつじ)は辛抱、申(さる)と酉(とり)は騒ぎ、戌(いぬ)は笑い、亥(いのしし)は固まる」という。

 株価が跳ねる卯年は、戦後の東証開所後、6回目を迎えるが、過去5回の日経平均の上昇率は23.1%。格言通りに跳ねて、十二支中3位。ちなみにトップは辰年の29.0%、次いで、子年の23.8%の順。

 来年の株高ジンクスは米国株式にもある。「米国株式は中間選挙の年に底入れして、翌年は上昇に転じる」というものだ。81年から08年までの米大統領の任期7期分を見ると、NYダウの騰落率は1年目が10%強のプラス、2年目が約8%のプラス。中間選挙の翌年に当たる3年目は20%強のプラスと最も高い騰落率で、株価騰落率のマイナスはない。ちなみに、任期最終年になる4年目の騰落率はプラス・マイナスで、ほぼゼロとなっている。

アクセスランキング(過去1週間)

 年末年始は日本株の主役は引き続き、売られ過ぎたセクター。為替次第とはいえ、円高で売られた主力ハイテク株のほか、大手ゼネコン株に復活の息吹が聞こえてきた。

(阿部 秀司)


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