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12/22
11:51
不動産にITを導入する「不動産テック」の領域で成長著しいSREホールディングス<2980.T>は、大化けする可能性を秘めている。
同社の今3月期の連結業績予想は、売上高が163億円(前期比20.1%増)、営業利益が16.5億円(同18.5%増)と増収増益だ。IoT(モノのインターネット)を備えたマンションなどを販売するスマートプロパティ部門で、案件の大型化が収益拡大に貢献。商品ラインアップの拡充に向けた先行投資を継続しながらも、利益が急伸している。
コロナ禍で不動産業界でのDX(デジタルトランスフォーメーション)も本格化している。そうした中で同社のサービスは、不動産仲介会社の課金契約数が9月末時点で2509社と6月末比で324社(15%)拡大している。
一方、10月に営業を開始した100%子会社のSREアセットマネジメント(SREAM)が有力だ。
SREAMは投資家向けに不動産私募ファンドの組成・運用を行い、賃貸住宅やオフィス、商業施設、ヘルスケア施設などを取り扱う総合型ファンド、投資家ニーズに合わせたオーダーメードの私募ファンドを運用していく。また、ファンドが抱える物件のバリューアップを、SREHDのAIクラウド&コンサルティング事業が請け負う事で、事業間シナジー(相乗効果)の創出とファンド自体の差別化を図る。
規制緩和も追い風だ。5月から改正宅建業法が施行され、不動産仲介業者のデジタル化需要の拡大が期待される。さらに、市場規模の大きな金融業界や物流・IT・ヘルスケア領域においても新たなモジュールを生かしたソリューションの提供に注力するなど、収益基盤の拡充に万全の構えをみせる。
株価は日銀がYCC(イールドカーブコントロール=長短金利操作)における長期金利の許容変動幅を拡大したことで、「事実上の利上げ」ととらえる見方が不動産株の上値を重くし、SREHDの相場にも売り圧力が掛かった。しかし、事業環境の変化は、不動産テックへの取り組みを一段と強化する流れは加速する公算だ。また、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペース減速も、グロース(成長)株であるSREHDの見直し材料になると考えられる。
提供:モーニングスター社
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11/28
11:12
「テンバガー候補を探す」―。大和証券は25日付でそう題するリポートを発行し、新興系の企業を中心にテンバガー(一般的に10倍株の意)が期待される銘柄を挙げた。
<収益成長率高く役員保有の傾向>
同証券は2013年3月末を基準に22年9月末までに株価が10倍化した39社を分析し、期間内の売上高や営業利益の年率成長率や、営業利益率の中央値の相対的な高さを指摘。また、株式の役員保有比率が高く、上場からの経過年数が短いといった傾向を抽出した。
そうした結果をもとに、TOPIX(東証株価指数)採用企業を対象に(1)役員により株式が保有されている(2)上場歴が10年以内(3)18−22年度の売上高の成長率が年率5%以上(4)同営業利益の成長率が年率15%以上(5)同営業利益率の中央値5%以上(5)PBR(株価純資産倍率、標準化)・PERがTOPIX採用企業の中央値を上回る――という条件でスクリーニングを実施した。
<SREHDやサーバーW、K&Oエナジも>
すべてを満たしてた「テンバガー候補28社」は、不動産テックのSREホールディングス(SREHD)<2980.T>、クラウドサービスのサーバーワークス(サーバーW)<4434.T>、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連のエル・ティー・エス(LTS)<6560.T>、医療ITのJMDC<4483.T>などだ。こうしたテック系企業のほか、エネルギーのK&Oエナジーグループ<1663.T>、コンタクトレンズのメニコン<7780.T>なども食い込んでいる。
抽出した28社の22年度までの売上高成長率(年率)は16.2%、営業利益成長率は24.2%がそれぞれ中央値となった。また、13−22年内に株価が10倍になった例としては、日本M&Aセンターホールディングス(M&ACH)<2127.T>やインフォマート(インフォMT)<2492.T>、MonotaRO(MRO)<3064.T>、レオン自動機<6272.T>、ゴールドウイン<8111.T>などがある。
大和証の「テンバガー候補28社」
銘柄(コード) 株価 時価総額 業種
SREHD<2980.T> 4690円 758億円 不動産業
サーバーW<4434.T> 2722円 211億円 情報・通信業
LTS<6560.T> 3535円 158億円 サービス業
JMDC<4483.T> 5260円 3304億円 情報・通信業
テラスカイ<3915.T> 2437円 312億円 情報・通信業
ベース<4481.T> 4010円 728億円 情報・通信業
エムアップH<3661.T> 1469円 536億円 情報・通信業
ips<4390.T> 3105円 386億円 情報・通信業
オークネット<3964.T> 1992円 557億円 情報・通信業
トビラS<4441.T> 1131円 120億円 情報・通信業
Bガレージ<3180.T> 3030円 193億円 卸売業
RSTECH<3445.T> 8760円 1133億円 金属製品
デクセリアル<4980.T> 3310円 2136億円 化学
デジハHD<3676.T> 2011円 480億円 情報・通信業
バリューHR<6078.T> 1665円 443億円 サービス業
MDV<3902.T> 1023円 409億円 情報・通信業
アグレ都市<3467.T> 1537円 88億円 不動産業
GLM<3486.T> 1310円 104億円 不動産業
K&Oエナジ<1663.T> 2384円 676億円 鉱業
フェイスNW<3489.T> 1367円 68億円 不動産業
JSB<3480.T> 4400円 477億円 不動産業
イーグランド<3294.T> 1596円 102億円 不動産業
恵和<4251.T> 3400円 327億円 化学
あんしん保証<7183.T> 254円 46億円 その他金融業
サイバーL<3683.T> 1146円 121億円 情報・通信業
メニコン<7780.T> 2986円 2283億円 精密機器
日本アクア<1429.T> 845円 294億円 建設業
シグマクシス<6088.T> 1303円 603億円 サービス業
18−22年度売上成長率(年率)の高い順、株価と時価総額は11/25現在。
提供:モーニングスター社