文字サイズ

  • 小
  • 中
  • 大



アナリストの視点(国内株式)

お金の掛かるゲームはNO! − 業界の先行きに不透明感

2011-09-30

 14日の「SCEプレスカンファレンス」で、年末発売予定であるソニー<6758>の新型ゲーム機「PS VITA(ヴィータ)」の現物がお披露目された。価格はWi―Fiモデルが2万4,980円、3G/Wi―Fiモデルが2万9,980円。ライバル視される任天堂<7974、主力大証>のニンテンドー3DSが8月に1万5,000円(従来価格2万5,000円)に値下げされたことを考えると、割高に見えるだろう。

 さらに、PSヴィータで遊ぶために掛かる費用は、本体価格だけでは済まない。記録用のメモリー(2,200円〜)が別売りの上、3G/Wi―FiモデルならNTTドコモ<9437>と契約して3G回線費用も払う必要がある。プリペイドデータプランとして980円なら30日間有効で20時間、4,980円なら180日間有効で103時間、3G回線が使用できる。また、期間内に契約を更新しなかった場合、再契約には手数料2,100円が掛かる。

 ゲームソフトも含めると、安くて4万円近く掛かる計算だ。これでは学生がPSヴィータを気軽に楽しむのは無理だ。3G/Wi―Fiモデルでは、毎月の支払いも必要になるため、社会人でも困難だろう。そもそも、それだけの金額を払った上、継続的な支払いをするほど、ユーザーはPSヴィータに夢中になるかどうか。

 一方、スクウェア・エニックス・ホールディングス<=スクエニHD、9684>のRPG(ロールプレイングゲーム)「ドラゴンクエスト」シリーズの新作「ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オンライン」(ドラクエ10)がWii向けに2012年に発売される。その発表後、スクエニHDの株価は急落した。ドラクエ10がシリーズで初めてオンラインゲームとして発売されることで、本体価格のほか、別途料金が必要と発表されたからだ。

 国税庁の統計によると、サラリーマンの平均年収は07年度437万円、08年度430万円、09年度406万円と、減少傾向が続いている。収入が減った場合、どの支出を削減するかと考えたら、ゲームなど遊興費になるケースは多いのではないか。そんな状況にもかかわらず、家庭用ゲームで遊ぶコストは上昇している。生活を切り詰めてもぜひ遊びたいと思うゲームはどれだけあるだろう。

アクセスランキング(過去1週間)

 その分、携帯電話、スマートフォン(多機能携帯電話)で遊べ、初期投資の要らないソーシャルゲームにユーザーが流れるとの見方もある。しかし、ソーシャルゲームは基本無料でも、あちこちに課金への導線があり、ついお金を使ってしまう。月間数万円を支払うユーザーもいるようだ。現在、ソーシャルゲーム市場は急拡大しているが、いずれは限界もくるだろう。ゲーム業界の先行きに、不透明感が強まっている。

(梅村 哲哉)


バックナンバー

株式ニュース  一覧

ページの先頭へ戻る